柿本 哉汰

僕にとって花は生活の一部。自然な流れで花の道へ

僕の実家は花屋を営んでいるのですが、リヤカーを引きながら花を売っている時代から受け継がれていて、両親で5代目になります。子供の頃からあたり前のように店の手伝いをしていましたが、「継いでくれ」と言われたことは無く、両親は自分たちの代で閉業する気満々だったようです。ただ、高校生3年生になって進路を考えたとき、こんなに長く続いた家業を絶やしてしまうのはもったいないと思うようになったんです。両親が頑張っている姿をずっと見てきましたし、僕にとって花は好きとか嫌いという次元を超えて生活の一部だったので、ごく自然な流れで花屋を継ごうと決めました。それからは上京して花の専門学校に通い、新卒としてリベントに入社したんです。

偶然調べた”葬儀”のワード。花葬儀の花祭壇を見つけたときに衝撃を受けた

就職活動中は大手のフラワーショップをはじめ、花に関する様々な求人を見ていたのですが、大手のショップは従業員が多く、入社してからしばらくは花に触れる業務よりも、雑用のルーティーンワークが多いと聞いていました。でも、僕は花に触れたい気持ちが強く、それはちょっと物足りないなと感じていたんです。それから少し角度を変えて、花が関わる仕事の「葬儀」とネットで検索すると、花葬儀のホームページにたどり着きました。結婚式のように華やかな葬儀の写真が並んでいて、衝撃を受けたことを今でも覚えています。うちの実家も葬儀社と提携していたのですが、田舎ということもありかなり古い感じの祭壇だったんです。だから、リベントの花祭壇の写真を見つけたときに興味が湧いて、求人に応募することにしました。

空間デザインチームの1日

空間デザインチームは日によって業務も様々ですが、基本的には告別式や通夜の設営が中心です。1日の流れとしては、出社してからアトリエの掃除整理整頓、花の水やりを行い、全スタッフ参加の朝礼に参加します。続いて空間デザインチームだけの朝礼を行うのですが、そこでは設営の有無や、告別式の話など、一日の流れを確認します。その後は各々の業務を始めるという流れです。
このように一応1日の流れはあるのですが、訃報は突然入ってくるので、臨機応変な対応力が必要になります。
最近はほとんど毎日設営があるので忙しないですが、そんな中でも雰囲気を良くしてくださる先輩方が多いので、チームは常に明るいですね。本当に良い人ばかりで、僕は一番年下ということもあり、とても可愛がってもらっています（笑）。仕事に行きたくない日が無いのも、先輩たちの人柄のおかげです。

お客様からの感動のお言葉や笑顔が、この仕事のやりがい

この仕事ではお客様の別れに立ち会いますが、葬儀で使用する花や空間のデザイン、雰囲気は一人一人違います。まだ僕はデザインをする機会が無いのですが、告別式や通夜の後に感謝のお言葉や心のこもったお手紙を頂くたびに、この仕事に携わることができてよかったと感じます。お客様の思いを形にするのが僕たちの仕事なので、みんなで作り上げた空間に感動してくださったり、時には笑顔が見られると、ご遺族に受け入れてもらえたのかな？という気持ちになり、それがやりがいに繋がっています。

また、最近は花の市場にも行かせてもらえるようになったのですが、その中で花を選んでいる時が一番楽しいです。本来はお客様と打ち合わせをして、お花の色味や種類を決めるんですが、僕はまだ打ち合わせには行けていないので、発注書でいただいた指示に沿って花を選んでいきます。市場には色々な種類の花やグリーンがあるのですが、見ていると楽しくなってしまい、ついつい時間を忘れてしまうんです。やっぱり自分は花が好きなんだなぁと実感する瞬間でもあります。

お客様からも会社からも信頼されるデザイナーになりたい

今後の目標は、空間デザインチームのデザイナーとして打ち合わせに参加することはもちろん、お客様からも、会社からも信頼されるデザイナーになることです。そのためにはデザインだけではなく、お客様との会話のスキルも問われると思っています。

チームには優秀な先輩方が沢山いますし、まずは先輩方を越えなくてはならないのですが、将来はそんな先輩方から「柿本に任せておけば大丈夫」と言われるような、手放しで任せられるデザイナーになれたら良いなと思います。また、最終的にはリベントで培った経験や知識を実家の花屋に持ち帰り、6代目として会社を大きく成長させたいです！