山﨑 奈緒美

友人の結婚式で魅了された花の世界

20歳を過ぎたくらいから知人の結婚式に参列する機会が増えたのですが、会場の雰囲気や装飾を見るたびに、花のブーケを作ってみたいなと憧れるようになりました。当時、プランナーをしている友人がいたので、ブライダル業界については少し理解がありましたし、もともと花が好きで細かい作業をすることも好きだったこともあり、花の世界に進むことを決めました。

花の道に進もうと決めた当時は、私は別の職業に就いていたので、学費を貯めてから花の専門学校に通いました。専門学校で様々な授業を受けるうちに、やっぱり花の中でもブライダル関連の仕事がしたいなと思い、卒業後はブライダル企業の花の部門に入社しました。花に関する基本はその会社で学びましたが、ウェディングでは毎回似たような花を使用することが多かったので、しばらくして色々な花材を仕入れているフラワーショップに転職し、花についてさらに勉強を重ねました。

この会社は、自分にとってプラスの経験に繋がりそうでワクワクしました

勤めていたお花屋さんから転職を考えていた時に、たまたまリベントの求人を見つけました。葬儀自体には正直そこまで興味は無く、知識も無かったのですが、ホームページで結婚式のような葬儀の写真を見たときに、衝撃を受けたんです。それに求人には、自分で花を仕入れたり、デザインなどもできると書いてあったので、自分がやりたいことができるかもしれないと感じました。
また、葬儀社なので葬儀プランナーはもちろんですが、WEBチームやライターさんなど違う分野の方がいることを知って、リベントに入社したら花だけでなく色々なことを学ぶことができるかもしれない、と思ったんです。花以外の分野でも自分にとってプラスになることが起きる気がして、ワクワクしました。今は花の仕事をしていますが、将来的に葬儀の仕事に興味を持つ可能性もあるので、今後の人生の中でいろいろな可能性を抱ける会社なのかなと思って、応募したんです。

お客様との打ち合わせで心掛けている３つのこと

最近はお客様と花の打ち合わせにも行かせてもらえるようになりました。打ち合わせの場面は、大切な方を亡くされたばかりということもあり、お客様の気持ちも様々です。最後まで笑顔でお話される方もいますし、心の整理がつかず悲しんでいる中、打ち合わせを行わなくてはならない方もいらっしゃるので、私たちはお客様一人一人の雰囲気を読んで、打ち合わせをするように心掛けます。
お客様の気持ちに寄り添う事は簡単なことではないのですが、話す「リズム」や「ペース」、そして「距離感」。この３つをとても意識して打ち合わせを行っています。私自身、大事な人を亡くした経験はありますが、やっぱりその人にしかわからない部分は沢山あって。葬儀において、花はもちろん大事なのですが、一番は家族の時間が大事だと思うので、今はそっとしておいた方が良いなとか、今は家族だけの時間かな、など、お客様の気持ちを察しながら応えられるよう努力しています。

感謝の言葉が原動力につながる

この仕事で楽しいことは、お客様にヒアリングした内容を自分のイメージのまま形にできることです。お客様が想像する以上のものを作りたいですし、葬儀は一番綺麗な状態で迎えてもらいたいので、式当日は花の調整、状態を気にかけています。ただ、花ばかり意識してしまうと故人様との面会スペースが取れなかったり、式場の広さに対して花が多すぎたりという問題が生じることもあります。色々な角度から考えてデザインするのはとても難しいですが、今は毎回反省を生かして制作に励んでいます。
また、ご家族の方から直接「ありがとう」とか「本当に（故人が）喜んでいると思う」などの感謝のお言葉をもらったときに、やってよかったなと思います。葬儀はその方の人生最後の一日になるので、一生懸命やりますが、最後まで不安は拭えません。だからこそ、最後に感謝のお言葉をもらえると、これからも頑張らなきゃなという気持ちになりますし、原動力につながります。

お客様とガーデン葬を作りたい

お庭で行う「ガーデン葬」の設営を担当したことがあります。立食パーティーのようなお別れスタイルの雰囲気が本当に素敵で、今後こういったスタイルの葬儀をお客様と一緒に作りたいなと思いました。ガーデン葬は打ち合せから施行まで大変なのですが、実際に行ったガーデン葬ではお客様が好きだったお料理を用意されていて、ご友人達に囲まれた明るい雰囲気の中でお別れできていたのが印象的でした。もっと世間にガーデン葬が広まると良いなと思っています。あと、これは私の個人的な好みですが、大きな木の下にお棺があって、会場にいることを忘れるような、自然の中で行う空間もいつか作ってみたいです。