金子 大介
フラワーデザイナー

服飾デザイナーを経て、未経験でフローリストへ転向
私は服飾学校の出身で、20代は服飾デザイナーとして洋服のデザインをしていました。既製品ではなく、オーダーメイドの洋服を半年かけて作る仕事です。その後、30代になり転職を考えたときに、ありがたいことに未経験でも受け入れてくれるフラワー企業を見つけ、お花の種類や、お花の挿し方も分からないまま、思い切ってお花の世界に飛び込みました。その企業は結婚式場だったのですが、そこでお花のいろはを学び、ウェディングブーケやテーブル装花のお打ち合せやアレンジの制作を担当し、約12年間勤めました。かなりの件数をこなす結婚式場であったので、徹夜のような日も多くて、かなりハードワークでしたが、その経験のおかげで、今、多少ハードスケジュールでも苦に感じなくなりましたね(笑)
その結婚式場のフローリストとしての経験後、リベントに入社しました。
一本の電話をきっかけに、生花部の立ち上げメンバーとして入社
結婚式場で12年に勤めた後、転職を考えたときに、結婚式はもうやり切った感覚があって。
とはいえ、家族もいるので、経験を活かしたお花の仕事を考えたとき、これを機会に12年間やってきたウェディングとは真逆の葬儀業界でお花の仕事をしたいと思ったのです。様々な葬儀会社を外から眺めたときに、リベントの葬儀の花には他社と違いを感じて、思い切って直接リベントに電話をしてみたのです。そのときにはフローリストの募集をしていなかったのですが、それでも履歴書を見てもらえるということだったので、履歴書を送り、面接の機会をもらいました。
詳しく話を伺うと、当時リベントには生花部はなく、将来的に自社で生花部を持ちたいと考えている、という状況でした。それでも履歴書とあわせて、これまでの自分の描いたデッサンなど見てくれて・・・有難いことに生花部の立ち上げメンバーとして採用してくれました。葬儀のことは何も知らなかったわけですが、リベントも、そのような私を採用することをきっかけに、生花部の立ち上げを決意してくれたようです(笑)。
過去の経験はすべて活かし、お客様のためだけの空間をデザインする
ゼロの状態から生花部を立ち上げたことは、大変ではありましたが、これまでの経験があったので難しいことではありませんでした。
服飾デザイナーをしている頃に身についたデッサン力や、ウェディングのフローリストとして打ち合せしてきた経験、お花を活けてきた経験を葬儀に応用すればいい、そう考えると葬儀に対して構える必要はなくて、大変さは感じつつも、意外にもすんなりと進めることができたように思います。
ただ、葬儀の場合には、訃報のご連絡を受けて、葬儀まで数日の間に、お客様とお話をして、デザインを考えて、お花を仕入れ、制作するので、かなりタイトな時間で仕上げることになります。それでもリベント花葬儀は、既定のパックプランの中から選ぶという方法ではなくて、お客様との会話から得たヒントを基にデッサンを描いて、そのお客様のためだけの空間をデザインしています。資材が無ければ作りますし、仕入れも自分達の目で見て、触って、最善を尽くします。リベント花葬儀でしか叶えられない葬儀を、自分達はお客様に提案し、実際につくっていると思っています。

お客様とのお話は、お花のことよりも故人様の人柄や人生について
お客様との打ち合わせには、リベントの葬儀プランナーと同席して参加することもありますが、空間デザイナー単独でお客様のご自宅に伺うこともあります。そのため、お客様と直接会話をする機会は多くあります。
結婚式場に勤めていたときには、お客様と気楽に天気のお話等をしながらも、本題のウェディングブーケや、卓上花について具体的に相談する時間が多かったのですが、葬儀でお会いするお客様とは、実はお花のお話はそれほどしていません。どのお客様も、大切な方を亡くされてナイーブな状態なので、お話の中で涙してしまうようなこともあります。それでも、故人様のお人柄や趣味、思い出話など、故人様の人生についてたくさんのお話を伺うのが私たちのスタイル。それが、その故人様にとっての最善のお別れの場をデザインする大切なヒントとなりますので、空間デザイナーとしての観点からブレないように会話をするように心がけています。
そして葬儀当日は、葬儀の前に必ず、葬儀空間でお客様とお話する時間を設けています。葬儀空間のデザインやお花をただ眺めるだけでなく、実際に触れてもらい、香りを感じていただき、打ち合せでお客様から伺ったお話が、どのように形になったかということを確認していただきたいからです。そこまでが空間デザイナーとしての役割だと思っています。

葬儀の既成概念にとらわれず「心」を優先した空間デザイン
私も含め、リベントの空間デザインチームは他の業種から転職してきた人が多いので、「葬儀はこうでなければならない」「この花材は使ってはいけない」という感覚がないのです。そういった葬儀の既成概念なしに、その故人様にとって最善のお見送りの形を目指すので、ご提案の幅も広いですし、フットワークも軽いですね。
私はいつも打ち合せに入るときに、お客様には、我々は祭壇を作るわけではなく、極端な話、祭壇が無くても、お花を使わなくても、その方に相応しいお見送りができればいいのですよ、と話をしています。対話を通して、故人様を思い、どういう気持ちで、お葬儀の時間を過ごすのか、ご家族に気づいてもらうことも大切だと思っています。
例えば、以前、小さなお子様の葬儀があったのですが、お花はほとんど使わずに、その子が大好きだったキャラクターのバルーンをたくさん使って、お友達と遊んだ公園のようなイメージで空間を演出しました。
また、別のお客様からは、故人様が自宅のお庭に思い入れがあったので、そのお庭に咲いているお花や木々で葬儀のお花を活けてほしいというご依頼がありました。それは、お客様のお庭のお花の種類やボリューム、コンディションも関わるので、リスクが伴うご依頼です。でも、そのお客様にとっては、故人様の愛着が残るそのお庭に咲くお花は、たとえ状態が良くないとしても変えの利かない価値あるものなので、そのリクエストをお受けしました。そのご家族は、美術品などにも詳しく、美的感覚が素晴らしい方で、故人様の思いを伺いながら、ご家族と一緒に葬儀空間を作り上げていきました。そのお打ち合せから作業工程も含め、特別な感覚を味わっていただいたことも、とても喜んでくださいました。自分にとっても、とても印象深い葬儀となりましたね。

責任が自信につながる職業
葬儀の空間デザイナーとして、ご家族の大切な方との最後のお見送りの場をつくる、ということにやりがいを感じています。
如何に工夫して良いお見送りをしていただくか、いつもそれを考えて空間をイメージします。そこには空間デザイナーとしての責任が伴うので、朝早く起きて、花市場に行くことも苦には感じませんし、花市場で一番良いものを仕入れて、一番良いものをお客様に提供する、ということが、自分のやりがいに繋がっています。
お客様の大切な時間を彩る仕事と向き合う自分に今、一番自信を持っていますし、この仕事に誇りを持っています。
リベントを通して葬儀の既成概念を変えたいと思っているので、葬儀の風潮を変えたいと思ってくれる方、新しいお別れの場を作っていきたいという気持ちのある方と一緒に働きたいですね。

社員紹介
金子 大介
2018年入社。服飾デザイナーの経験を経て、フラワー業界へ転向。ウェディングフローリストとして12年間の活動後、リベントに入社。デザイナー×フローリストとしての経験を活かし、リベントの生花部立ち上げから空間デザイン・デザインリーダーとして活躍中。趣味は絵画鑑賞、錦鯉鑑賞。

米倉 康平
プランナー
柿本 哉汰
フラワーデザイナー
萬代 敦
執行役員
山﨑 奈緒美
フラワーデザイナー
山田久美
プランナー
内野 智恵子
フラワーデザイナー
金山 陽子
WEB制作・メディア担当
鳥畑 久美枝
ライフタイムサポート